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【論文和訳】Sabrina Pasterski【Lectures on Celestial Amplitudes】1 Introduction1

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目次

1 導入

天球ホログラフィー(Celestial Holography)は漸近的平坦な時空における重力散乱と天球上の2次元に存在する共形場理論(CFT)の間の双対性を提唱する。このプログラムの中心的対象は天球振幅(Celestial Amplitudes)であり、これは天球上で共形相関子(conformal correlators)として変換される基底で書かれた \mathcal S行列である。


これから見る主要なテーマは、赤外領域での物理(infrared physics)が無限次元の対称性の拡張(symmetry enhancements)を内包し、ホログラフィックな記述を指し示すという驚くべき範囲である。この講義の目的は、この双対性の動機づけに使われる散乱振幅の技術に焦点を当て、この振幅の技術が天球上の基底(the celestial basis)に翻訳される方法を示し、これらの振幅を相関子として扱うことで得られる新たなテクニックを紹介する。


講義の構成は以下の通りである。このプログラムの動機をいくつか説明した後、第2節では、まず散乱問題を運動量空間と時空の両方の観点から設定する。これは大域的対称性と一粒子状態、ミンコフスキー空間での共形コンパクト化(conformal compactification)の復習を含んでいる。第3節では、漸近的対称性の概念を導入することで、大域的対称性がどう拡張されるかと、それら大域的対称性が場の量子論におけるソフト定理(soft theorems)としてどう現れるかを探る。これを受けて第4節では、 \mathcal S行列要素と天球上の共形相関子のホログラフィックな対応を定義する。一粒子状態の対応を定義した後、散乱振幅のさまざまな構造がこの基底でどのように符号化されるのかを深く考察する。最後に第5節で、最近の取り組みをレビューと以前の文献のガイドを行う。各節には関連した練習問題がついている。