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標準模型はゲージ理論である。ゲージ対称性はこれからの議論に関係しないので、以下ではゲージ対称性に注目してヒッグス場の真空期待値を議論する。
とゲージ対称性に伴うゲージ場をそれぞれ
としておく。ヒッグス場は2成分複素スカラー場
で、 2重項の変換性と、電荷 をもつ。ヒッグス場の運動項とポテンシャルは次式で与えられる。
ヒッグス場に対する共変微分は、で与えられる。ここで、は単位行列、はゲージ結合定数、はゲージ結合定数である。ヒッグス場は非自明な真空期待値
をもつと仮定する。は正の実数で、(古典極限では)ラグランジアン密度(15.3)からで与えられる。<check 15.1>
一般性を失うことなく、ヒッグス場の真空期待値は(15.6)で与えられることを確かめよう。