【要約】【お金の名著200冊を読破してわかった!投資の正解】第3章 投資手法の最新研究 実践・手法の理②
- 過去から未来を読み解けるか?
- 株式の本質的な価値を評価する方法
- レバレッジETF投資の可能性と誤解
- 自分に合ったアセットアロケーション構築
- 無視できないブラック・スワン
- リバランスをすべきか否か
- 調整力に優れたコア・サテライト投資
- 参考文献と参考動画
株式の本質的な価値を評価する方法
企業の価値をどのように評価するのか?
企業の価値を評価する3つのアプローチ
適正価格に収束するのはいつか?
割安価格から適正価格へ
株価を上げるきっかけになるもの
自分に合ったアセットアロケーション構築
目指すのは最大化か、最適化か?
アセットアロケーションが「一番」大事かどうかはともかく、少なくとも広く分散された投資信託やETFを中心とする個人投資家にとっては、アセットアロケーション、つまり資産クラスの配分が投資リターンを大きく左右する最重要な要素であると言って間違いないでしょう。
近年の世界的な低金利、そして国内株式とは相対的に成長を続ける米国株式を考えれば、近年の株高が続くと考える気持ちもわからなくもありません。長い間引き落とす予定のない資金を前提とした資産形成期なら、株式を中心とすることはリターンを「最大化」させるポートフォリオとして妙味はあるでしょう。
しかし、資産クラスを分散させることにより、あらゆる事態に対処できる「最適化」という考え方もあります。
「最大化」を目指すか、「最適化」を目指すかによって、つくるべきアセットアロケーションは変わりますが、答えは1つではありません。イェール大学寄贈基金の最高運用(投資)責任者だったデビッド・スウェンセン氏は、アセットアロケーションの策定プロセスをアートとサイエンスの融合と表現しました。理論を学び、定量的に分析するサイエンス。個人の事情や経験、熟練の勘も踏まえたアート。この2つは車の両輪であり、融合してはじめて資産配分計画を進めることができるのです。
投資をサイエンスとして捉える理論
ここからは、まずはサイエンスの側面である「現代ポートフォリオ理論」の概要をご紹介します。経済学者のハリー・マーコビッツ氏はこの理論により分散投資の効果を証明してノーベル経済学賞を受賞しました。
ja.wikipedia.org
(参考:現代ポートフォリオ理論をPythonで学ぶUdemyの講座もあります。)
ローリスクな資産はローリターンであり、ハイリスクな資産はハイリターンが期待できます。
しかし、ポートフォリオを組むことによって、リターンをあまり下げずに、リスクを大きく下げたり、場合によってはリスクを下げてリターンを上げることもできます。これが分散効果です。
同じリターンを上げつつ、それ以上にリスクを下げることができない点を結んだ線を、「効率的フロンティア」と言います。この線上のポートフォリオは、リターンが高ければ必ずリスクが高くなるという、絶対的な優位性はない関係性を持っています。
現代ポートフォリオ理論が抱える問題
まずは、期待リターンやリスクである標準偏差は、あくまで予測でしかないことです。
また、期待リターンの分布を正規分布させているところも注意が必要です。実際に、リターンが完全に正規分布になるとは限りません。
ただし、複雑なモデルを使っても正確に計算することが不可能であるならば、完璧ではないことをわかりながらも、シンプルで使いやすいモデルを使うほうが役に立ちます。