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あだ名のやぎと図書館のlibraryを組み合わせてyagibraryです。本から学んだことをみなさんに紹介します。

【要約】【父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。】第4章 「金融」の黒魔術―こうしてお金は生まれては消える

起業家はタイムトラベラー―未来から無限の交換価値をつかみとる

銀行はツアーガイド―どこからともなくお金を生み出す

銀行が損をしない方法が生まれた

金融危機―そこにはやはり「落とし穴」がある

歯車が「逆回転」しはじめる

誰が助けてくれるのか?―中央銀行がどこからともなくカネを出す

国家の新しい(ようでそうでもない)役割

ここで、普通の銀行と中央銀行にはひとつ違いがある。

銀行を救い出し、黒魔術によって破壊されそうになった経済を元に戻すことが、中央銀行の目的だ。

中央銀行は普通の銀行に対して何らかの権限を持つようになるのだ。

人々の預金について、もし銀行が破綻したら国が返済することを保証したのだ。

当時もいまも重要なのは、貝殻に刻まれた数字や、口座残高の数字を、人々が信用できるかどうかだ。

銀行と国の「持ちつ持たれつ」の関係―銀行には冷たくできない

残念ながら、銀行を監督する立場の役人や政治家が、引退後に銀行に天下るケースは多い。そのご褒美が待っているので、役人は銀行に厳しく接することがなかなかできない。

焦げ付き―借金を「ご破算」にするには倫理の問題ではない

借り手が破産して借金を返済できない場合には、どうしたらいい?答えはひとつ。借金をご破算にするしかない。経済学の用語では、「債務免除」という。これは倫理や道徳とは関係ない。借りたカネを返さなくてもいいか悪いかといった話ではない。実務の問題だ。

市場社会において発電所や鉄道といった莫大なカネのかかる大規模なものをつくったり、企業が障害を乗り越えて大きく成長することを可能にするためには、倒産してもその事業にかかわる所有物だけが没収されるように、法律を変える必要があった。

これが「有限責任」というものだ。

枝を燃やして山火事を防ぐ

返済不可能な借金に永遠に囚われていたら、企業も個人も国家も復活できない。聖書の中で、借金を定期的に棒引きにすべきだと書いてあるのも、同じ理由からだ。それは、森に落ちている枝を燃やすことで、大規模な山火事を防ぐようなものだ。

破綻しつつある経済を再生できるのは、政治の力しかない。またそれが、破綻を引き起こした真の原因に対処する唯一の道である。この点については後で話そう。

金持ちは政府を煙たがりつつ庇護を求める―矛盾に終わりはない

金持ちは、自分たちの懐を潤すことを政府が邪魔するのではないかと恐れる一方で、政府を心底必要としている。

必要な寄生虫―経済はすべての人に頼っている

労働者には雇ってくれる起業家が必要で、起業家はものを買ってくれる労働者が必要だ。起業家はおカネを貸してくれる銀行が必要で、銀行は利子を払ってくれる起業家が必要だ。銀行は守ってくれる政府が必要で、政府は経済を動かしてくれる銀行が必要だ。発明家はほかの発明家と発明を競い合い、科学者のアイデアを盗み取る。経済はすべての人に頼っている。

公的債務―それはウイルスではない

もちろん、公的債務があまりに増えすぎると大問題が起きることもあるが、少なすぎても問題なのだ。なぜか? 魚が水がなくては生きられないように、市場社会において銀行は公的債務がなければ生きられないからだ。公的債務がなければ市場社会は回らない。

それは「機械の中の幽霊」である

政治家や経済学者やコメンテーターが公的債務をまるで忌むべきもののように話していたら、思い出してほしい。公的債務は良くも悪くも、市場社会という機械を動かしている「機械の中の幽霊」だということを。

金持ちやその代弁者が国家をこき下ろし、政府と公的債務をバカにしていたら、彼らが腎臓や肝臓と同じくらい、国家を必要としていることを思い出してほしい。

だがさらに……

銀行はただの増幅器でしかない。市場社会が不安定である根本原因は別にある。原因のもとを深く探っていくと、ふたつの特殊な「商品」の奇妙な性質に行き着く。そのふたつとは、労働力とマネーだ。

次の章では、古代の神話を通して、このふたつを読み解いていこう。