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【要約】【父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。】第5章 世にも奇妙な「労働力」と「マネー」の世界―悪魔が潜むふたつの市場

著者は、値段さえ下げればどんな家でも売れるだろうとからかったのだ。

だが、失業についても同じように考える人がいる。選ばなければ仕事なんていくらでもあるだろう、と。

失業を「否定」する人たち

アンドレアスが家を売ることと、ワシリーが労働力を売ることは違うということを理解しなければならない。

狩人のジレンマ―全員で鹿を狙うか、ひとりでうさぎを狙うか?

ここで大切なのは、次のポイントだ。

  • 狩人たちは、それぞれうさぎを追いかけるより、みんなで協力して鹿を仕留めるほうがいいと思っている。
  • 狩人たちは、ほかの仲間がみんな鹿狩りに集中していると確信できれば、それぞれ自分も鹿狩りに集中できる。
  • 全員が完全に心をひとつにして鹿を仕留めると信じられたら、完全に心をひとつにして鹿を仕留められる。反対に、もしそう信じられなかったら、仕留められない。


これは「楽観主義の力」を示す好例であると同時に、「悲観主義の悪魔的な引力」を示す好例でもある。

なぜ、労働者は家や車やトマトと違うのか?―ワシリーを雇うシンプルな理由

マリアのようなほかの事業経営者たちも、先行きを明るいと感じ、消費者がこれからも自分たちの製品やサービスに十分なおカネを払ってくれると信じられたら、ワシリーやほかの失業者を雇い入れるだろう。

先行きへの楽観と悲観―ワシリーを雇わない複雑な理由

失業否定派は間違っている。労働市場は労働力の交換価値だけで動くものではない。経済全体の先行きに対する楽観と悲観に左右されるのだ。

悪魔が潜む場所―「マネー・マーケット」とは何か?