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(6)一神教の誕生
イスラエル人の宗教の特徴は、まず第一に、ヤハウェという神を排他的に拝み、他の神に浮気しないことです。
半遊牧民であるイスラエル人は、周囲の農耕民族や都市の民の隠微*1な儀礼に満ちた信仰を嫌って、ひたすら純潔を保とうとしたのだと思われます。
彼らは、出エジプト伝承においてヤハウェから授かったことになっている律法に含まれる無数の戒律を遵守せんと頑張りました。
バビロニアはイスラエル人の主だった者を捕囚にしたので、イスラエル民族はかろうじて消失を免れました(この時代以降、イスラエル人ではなくユダヤ人と呼ぶのが普通となっています)。
国家なき民となったユダヤ人はますます律法に固執するようになりました。
この時期、神ヤハウェの地位が観念的に高められ、預言者イザヤ(第二イザヤ)がお告げするように、世界に唯一なる存在、世界を動かす絶対の存在にまで高められたのでした。かくしてユダヤ教は一神教となりました。
*1:外に現れず、わかりにくいこと