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【カラー版 イチから知りたい! 聖書の本】0.2 聖書とは何か?

聖書とは何か?

3つの宗教が聖典とする聖書

まず、『旧約聖書』はユダヤ教聖典として誕生しました。主に天地創造からイスラエル王国の成立、バビロン捕囚・解放までの歴史が、イスラエルの民と神との交流とともにつづられています。

ユダヤ教のみならず、のちにキリスト教、さらにはムハンマドが創始したイスラム教にも大きな影響を与えました。

これに対し、『新約聖書』はキリスト教のみの聖典で、「福音書」、「使徒言行録」、「書簡」、「ヨハネの黙示録」から構成され、イエスとその弟子たちの教えが記されています。歴史書的な色彩の濃い『旧約聖書』に比べ、より宗教的色彩が濃いといえるでしょう。

キリスト教側から名付けられた名称

聖書につく「旧約」「新約」の「約」とは、神との間に結ばれた契約を意味します。

神はエジプトで奴隷として苦しんでいたイスラエルの民を、約束の地カナンに導きました。

その途中、シナイ山で指導者であるモーセを通し、民に律法を授けます。これによりイスラエルの民は、神によって選ばれ恵みを受ける代わりに、唯一絶対の神を敬い、律法を守る義務をもつという契約(=旧約)を結びました。

にもかかわらず、民は幾度となく律法を破り、この神との契約は損なわれてしまいます。

そこで神は、自身の子であるイエスを「メシア」として地上に遣わしました。しかし、イスラエルの民はイエスをメシアとして認めなかったばかりか、ついには、十字架にかけて処刑してしまいます。

キリスト教では、この時イエスが十字架で流した血によって人々の罪があがなわれ、全人類を救いの対象とする新しい契約が結ばれたとします。

この契約を「新約」と呼び、ユダヤ教が信じる契約と区別しました。