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【論文和訳】Tomasz R. Taylor, Bin Zhu【Celestial Supersymmetry】1 Introduction1

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目次

1 導入

時空の超対称性を持つ弦理論では、超弦のワールドシート(world-sheets)を記述する2次元の共形場理論(CFTs)もまた2次元の超対称性を含む、2次元の超共形変換の下で対称である。高次元周辺時空の物理は2次元の超共形場理論で記述される。天球ホログラフィ―の目的は、4次元の漸近的平坦な時空での物理を天球共形場理論(CCFT)の枠組みで2次元の天球へのホログラムとして記述することである。この文脈では、次のような明らかな疑問がある。4次元の超対称性とCCFTのある種の超対称性(以下、天球超対称性)には何らかの関係があるのだろうか?


CCFTの対称性は漸近的平坦な時空のBMS対称性を反映している。参考文献[4]では、我々はBMS代数の(一種類の)超対称性への拡張を議論した。我々は時空の超対称性が2次元の超対称性から切り離されていることがわかった。その理由は時空の超対称性代数が超並進(これは天球上で純粋に非正則(nonholomorphic)である)と近いものである一方、2次元の超共形代数が正則部分と反正則部分で構成されているからだ。もっとも最近になって、散乱振幅のメリン変換によって得られるCCFTの相関子が運動量保存に制約を受けないので、(超)並進の役割が精査されるようになった。この問題を解決する方法として、並進不変性を破るような背景場を導入することが考えられる。このように並進対称性が破れた状態で、我々の問題は次のように言い換えられる。天球超対称性を認めるような場の構成があるだろうか?この研究で、この問題に対して肯定的な答えを与える。