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【代数トポロジーの基礎 基本群とホモロジー群】1.6.1 連結の定義0

1.6 連結性と弧状連結性

ここでは、空間がつながっていることを捉えた、連結性と弧状連結性と呼ばれる2つの位相的性質の定義と性質を概観する。

1.6.1 連結の定義

ユークリッド空間[\mathbb{R}^2]の部分空間 X=U((-2, 0); 1)\cup U((2, 0); 1) Y=U((-\dfrac{1}{2}, 0); 1)\cup U((\dfrac{1}{2}, 0); 1)を考えよう。 Xは2つの"部分"に分かれているから”つながっていない”。一方、 Yは図形として1つに”つながっている”。位相空間論では、両者の違いを2つの非自明な開集合に分割できないかできるかという視点で捉える。

位相空間が連結である(”つながっている”)ということは、「連結でない」ことの否定が成り立つということである。次の連結の定義はこの視点で見るとわかりやすい。


定義 1.6.1  X位相空間とする。次の条件を満たす Xの部分集合 U, Vが存在しないとき、 X連結(connected)であると呼ばれる。

  1.  X = U \cup V
  2.  U\cap V=\varnothing
  3.  U\neq\varnothing, V\neq\varnothing

 Xの部分集合 Aが連結であるとは、 A Xの部分空間とみて連結であるときをいう。条件(DC1), (DC2), (DC3)を満たす U, V Xを分割する開集合と呼ぶ。