2023-09-07 【代数トポロジーの基礎 基本群とホモロジー群】2.7.1 単連結と可縮0 数学 読書 代数トポロジーの基礎 基本群とホモロジー群作者:和久井 道久近代科学社DigitalAmazon代数トポロジーの基礎 基本群とホモロジー群価格: 3850 円楽天で詳細を見る 2.7 球面の基本群 基本群が自明であるような弧状連結な位相空間は、単連結と呼ばれる。位相空間が1点に縮んでいくことができれば、すなわち、1点集合とホモトピー同値であれば、単連結である。例えば、次元球体は単連結である。しかし、1点集合とホモトピー同値でなくても、単連結であるような位相空間は存在する。その例として、のときの次元球面がある。ここでは、のときの球面の基本群の計算過程を追いながら、単連結という概念の理解を深める。 2.7.1 : 単連結と可縮 定義 2.7.1 を位相空間とする。 が弧状連結であり、あるに対してであるとき、は単連結(simply connected)であると呼ばれる。 が1点集合とホモトピー同値であるとき、は可縮(contractible)であると呼ばれる。 例 2.7.2 内の空でない部分集合内に次の条件を満たす点が存在すると仮定する:と任意のを結ぶ線分はに含まれる。このとき、は可縮である。特に、やを始めとする内の任意の凸集合は可縮である。