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【代数トポロジーの基礎 基本群とホモロジー群】2.7.2 球面の単連結性1

球面の単連結性

第2.4節で示されたように、 \pi_1(\mathbb{S}^1, x_0)\cong\mathbb{Z}であるから"1次元球面"\mathbb{S}^1は単連結ではない。しかし、この節の冒頭で述べたように、2次元以上の球面については次が成り立つ:

定理 2.7.4  n\geq 2のとき、 n次元球面 \mathbb{S}^nは単連結である。

定理を証明するために、補題を2つ用意する。

補題 2.7.5 

  1.  X位相空間 \alpha : [0, 1]\to X X内の道とする。 [0, 1]の分割 0=t_0\lt t_1\lt\cdots\lt t_n=1をとり、各 j=1, 2, \ldots, nに対して、 \alpha_j : [0, 1]\to X


     \alpha_j(s)=\alpha((1-s)t_{j-1}+st_j)\qquad (s\in[0, 1])

    によって定義する。このとき、 [\alpha]=[\alpha_1][\alpha_2]\cdots[\alpha_n]が成り立つ。

  2.  U, V位相空間 Xの開集合とし、 X=U\cup Vかつ U\cap V\neq\varnothingであるとする。