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【代数トポロジーの基礎 基本群とホモロジー群】2.7.1 単連結と可縮1

命題 2.7.3 可縮な位相空間は単連結である。

証明  Xを可縮な位相空間とする。

  • 任意の x\in Xに対して \pi_1(X, x)=\{1\}であることを示す。1点 x_0\in Xをとると、ホモトピー同値写像 f : X\to\{x_0\}が存在する。ホモトピー同値写像は基本群の間の同型を誘導する(定理 2.5.10)から f_* : \pi_1(X, x_0)\to\pi_1(\{x_0\}, x_0)は同型である。よって、 \pi_1(X, x_0)\cong\pi_1(\{x_0\}, x_0)=\{1\}を得る。
  •  Xが弧状連結であることを示す。仮定により、連続写像 f : X_to\{x_0\}, g : \{x_0\}\to Xであって、 g\circ f\simeq\mathrm{id}_X, f\circ g\simeq\mathrm{id}_{\{x_0\}}を満たすものが存在する。 F : g\circ f\simeq\mathrm{id}_Xとすると、 Fは連続であって、 F(x, 0)=(g\circ f)(x), F(x, 1)=x \ (x\in X)を満たす。今、任意に x_1\in Xをとり、 \alpha : [0, 1]\to X


 \alpha(t)=F(x_1, t)\qquad(t\in[0, 1])

により定義する。 \alphaは連続であり、 \alpha(0)=F(x_1, 0)=(g\circ f)(x_1)=g(x_0), \alpha(1)=F(x_1, 1)=x_1を満たす。これは任意の点 x_1\in X g(x_0) X内の道で結ばれることを示している。よって、 Xは弧状連結である。