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【理論物理学のための幾何学とトポロジーⅠ】2.3.6 連結性

定義 2.8 

  1. 位相空間 X連結であるとは、 X_1\cap X_2=\emptysetであるような開集合 X_1, X_2に対して、決して X = X_1\cup X_2とならないことをいう。そうでないとき、 X不連結という。
  2. 位相空間 Xが弧状連結であるとは、任意の点 x,y\in Xに対して、ある連続写像 f : [0, 1]\to Xが存在して f(0)=x, f(1)=yを満たすときをいう。弧状連結性は、わずかな例外を除いては実際は連結性と同値である。
  3. 位相空間 Xのループとは、連続写像 f : [0, 1]\to X f(0)=f(1)を満たすものである。 X内の任意のループが連続的な変形で1点につぶれるとき、 X単連結であるという。

例 2.12 

  1. 実直線 \mathbb{R}は弧状連結であるが \mathbb{R}-\{\mathbf{0}\}はそうではない。一方 \mathbb{R}^n \ (n\geq 2)は弧状連結であり \mathbb{R}^n-\{\mathbf{0}\}もそうである。
  2.  S^nは弧状連結。円周 S^1は単連結ではないが、 n\geq 2ならば S^nは単連結である。 n次元トーラス


     T^n=\underbrace{S^1\times S^1\times\cdots\times S^1}_{n\text{ 個の直積}} \quad (n\geq 2)

    は弧状連結だが単連結ではない。

  3.  \mathbb{R}^2-\mathbb{R}は弧状連結ではない。 \mathbb{R}^2-\{\mathbf{0}\}は弧状連結だが単連結ではない。 \mathbb{R}^3-\{\mathbf{0}\}は弧状連結かつ単連結である。