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【理論物理学のための幾何学とトポロジーⅠ】2.1.1 写像の諸定義3

問2.1  f : \mathbb{R}\to\mathbb{R}, \ f(x)=\sin xで定義される写像は、単射でも全射でもないことを確かめよ。また、 f全単射になるように定義域、値域を適当に定めよ。

例2.3  Mを実一般線形群 \mathrm{GL}(n, \mathbb{R})、すなわち行列式 0でない n次正方行列全体からなる群の元とする。このとき、変換 M : \mathbb{R}^n\to\mathbb{R}^n, x\mapsto Mx全単射である。もし \det M=0ならば、その変換は単射でも全射でもない。

任意の x\in Xと、ある y_0\in Yに対して、 c : X\to Y, \ c(x)=y_0で定まる写像定数写像という。また、写像 f : X\to Yが与えられたとき、定義域の部分集合への制限 A\subset Xを考えることができる。これを f|_A : A\to Yと書く*1。2つの写像 g : X\to Y, \ f : Y\to Wが与えられたとき、 f g合成写像 f\circ g : X\to Wが定義できる。写像の合成図式において、どの集合の間の写像も合成の仕方によらないとき、その図式は可換であるという。例えば、図2.1では f\circ g = h\circ j, \ g\circ g = k等が成り立つ。

*1: f Aへの制限写像と呼ぶ。