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【はじめよう位相空間】12.1 連結空間と連結集合2

 \boldsymbol{E}^1が2つの部分 J=(-\infty, 0) K=[0, +\infty)に分けると、 J \boldsymbol{E}^1の開集合であるが K \boldsymbol{E}^1の開集合ではない。 \boldsymbol{E}^1のように、つながっている空間を無理矢理に2つに分割したときには、2つの部分がともに開集合になることはなさそうである(このことを次節で証明する)。他方、 Xはもともと2つの部分 U=[0, 1], \ V=[2, 3]に分かれている。このとき


 U=(-\infty, 3/2)\cap X, \quad V=(3/2, +\infty)\cap X

と表されるから、系10.19より U, Vはともに Xの開集合である。すなわち、初めから2つに分かれている部分は両方ともその空間の開集合である。以上の観察から、連結であるとは2つの空でない開集合に分割されないことであると考えられる。このアイデアを採用して、次の定義が得られる。

定義12.1 位相空間 Xに対し、条件


 X=U\cup V, \quad U\cap V=\varnothing, \quad U\neq\varnothing, \quad V\neq\varnothing\tag{12.1}

をみたす Xの開集合 U, Vが存在しないとき、 X連結である、あるいは、 X連結空間であるという。逆に、条件(12.1)をみたす Xの開集合 U, Vが存在するとき、 X連結でないという。