「社内コミュニケーション」は転換期を迎えている
この章でお伝えしたいポイントは、海外の企業やビジネスマンは社内の雑談を単なる「親睦」のためではなく、生産性を上げてアウトプット(成果)を出すための重要なツールとして戦略的に活用している……という点です。
著者のピョートルさんが社内の雑談に着目した理由は、日本企業の「社内コミュニケーション」が大きな転換期を迎えていることにあります。
その背景には、次のような3つの要因が複雑に関係していまうす。
インクルージョンとは「受容性」を指します。
「立場の異なる社員が、自由に意見を言い合えるような環境作り」という考え方。
- 出口が見えない「働き方改革」の問題
労働時間を短くするだけでは解決できない新たな課題に直面しています。
- パワハラ&セクハラ意識の高まり
上司が部下を満足に叱れないなど、社内のコミュニケーションの在り方が問われる場面が増えています。
上司の指示や意見は「絶対」と考えられていた
「俺は自分の上司には絶対に本音を言わないよ」
Part1 グーグルは雑談とどう向き合っているのか?
社員が自分の意見を経営陣にぶつける機会が用意されている
毎週金曜日の午後に開かれているTGIF(Thanks Google It's Friday)という全社的なミーティング。
意図的に雑談の機会を作るオフィス設計
狭い通路で、どうしても社員同士が顔を合わせる機会が増えるのです。
社員食堂は、一人で座れるような席がありません。
2000人以上の部下の名前を覚えた人事のトップ
マネジャーとメンバーは上司と部下の関係ではない
日本企業のような上司と部下という「上下関係」にあるのではなく、プロスポーツチームのコーチと選手のような関係です。
コーチは選手がいいパフォーマンスをするためのアドバイスをしたり、サポートをすることが役目です。
「My manager treats me as a person」
誰とでも気軽に「1on1」ミーティングができる文化
マネジャーとメンバーが「1on1」ミーティングをする場合、グーグルでは、その時間はマネージャーのものではなく、メンバーのものという考え方が徹底しています。
成果を上げているマネジャーほど、「プライベートな相談」に乗っているという傾向があります。
グーグルの躍進を支える原動力は「風通し」の良さ
人に何かを注意する時でも、イタズラ風のメッセージで伝えたりしています。