【本要約チャンネル】橘玲「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」

新版　お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方　知的人生設計のすすめ (幻冬舎文庫)

新版　お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方　知的人生設計のすすめ【電子書籍】[ 橘玲 ]

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目次

1限　世界にひとつしかないお金持ちの方程式

お金持ちの方程式

　資産形成＝（収入ー支出）＋（資産×運用利回り）

この方程式からお金持ちになる方法は次の3つしかないことがわかります。

1. 収入を増やす
2. 支出を減らす
3. 運用利回りを上げる

巷にあるお金の本はこの3つについて解説しているだけです。

例えば、

1. サラリーマン出世術、商売に成功する方法など収入を増やすノウハウ
2. 節約生活など生活水準を下げずに支出を減らすノウハウ
3. 1億円儲ける、株で生活するなどの株式に代表される資産運用のノウハウ

などです。では順番に深堀して見ていきましょう。

1. 収入を増やす

これは自己投資して年収を上げるしかありません。

例えば、アメリカの企業では従業員の年収はキャリアに連動しています。キャリアは単に職歴や会社内の地位ということではなく、MBAなどの資格や博士号などの学位も含まれるのです。キャリアによって労働者の能力は厳密に数値化されており、それのみが給料の基準として認められています。キャリア以外の理由で給料に差をつけると、差別とみなされてすぐに訴えられてしまうからです。

こうしたキャリアシステムの下では、キャリアアップによって収入が確実に増えるわけです。だからアメリカ人の学生が借金までしてMBAで博士号を取得しようとするのは、それによって能力のいかんにかかわらず給料が上がるからなのです。いずれ日本の企業でもこうしたキャリアシステムによる給料の決定という考え方が定着してくるでしょう。実際に日本でも資格手当などといってこの資格を取れば給料が増えるよといった企業がいっぱいありますよね。だからみんな必死になって資格を取ったり、より給料の高い会社に転職して年収を上げる努力をしているわけなのです。自分に投資して年収を上げる、これが収入を増やすための1つ目の方法です。

もう一つ収入を増やす方法があります。それは働き手を増やすことです。

サラリーマンならだれでも一度ぐらいは自分の給料明細を眺めながら「もうちょっと給料多ければな...」とため息をついたことはあるでしょう。お金持ちの方程式を見ても資産形成には収入の与える影響はめちゃくちゃ大きいですよね。

そんなとき、例えばあなたが結婚しているならば、家計の収入を最も増やす確実な方法は共働きにすることです。親でも兄弟でも構いませんが家族の中の労働人口を増やせば、人口に比例して家計の収入は増えていきますよね。。例えば子供のいるサラリーマン家庭では、どんなに頑張っても毎年100万円を積み立てるのが精いっぱいだと思います。この資産を年3%で運用すれば、10年で1,150万円になります。ところが妻が仕事を始めて年300万円積み立てることができれば、資産は10年間で3,400万円に増えます。またどちらかが出世して年に500万円を積み立てることができたら、10年で6,000万円の資産ができます。これはもう老後に何もしなくていい状態ですよね。

このように考えれば、お金持ちへの最短経路は自分に投資して年収を上げるか、働き手を増やして収入を増やすことです。例えば専業主婦になることは、サラリーマンの生涯年収が3億円であることを考えると、3億円をドブに捨てているのと同じことなのです。あなたが男性で手っ取り早く金持ちになりたいならば、共働きすることが近道なのです。

2. 支出を減らす

では次に2つ目、支出を減らす方法について解説します。

確実に金持ちになる方法は支出を減らすことなのです。誰もがキャリアを積んで、年収1,000万円を超えるエリートサラリーマンになれるわけはないですよね。結局成功できる人っていうのは数が限られてしまうわけなのです。ではそんなに給料も高くないし、出世もできないかもしれない、普通の人たちはどうすればよいのでしょうか？実はここにもちゃんと解決策が用意されています。それは支出を減らすことです。

当たり前のことを言いますが、誰もが確実に資産運用に成功できる方法なんてありませんよね。さらに、必死に努力しても100人が100人全員出世できるわけでもありませんし、ビジネスで成功できるわけもありませんよね。けれど支出を減らすというのは誰にでもできるし、それによって確実に家計の利益は増えて資産は大きくなっていくのです。

よく金持ちはケチだといわれますが、これは論理が逆なのです。ケチだからこそ金持ちになれたわけです。金を使わないからこそ、お金持ちになれたのです。

ここで厳しい言葉を言います。確実に資産を増やす方法が目の前にあるにもかかわらず、それを実行しない人間が金持ちになれるはずがありません。もう一度言います。確実に資産を増やす方法が目の前にあるにもかかわらず、それを実行しない人が金持ちになれるはずがありません。金持ちになりたいなら、絶対に支出を減らしてください。

とはいっても、具体的に何から減らせばいいんだよと思いませんか？橘さんはまず住宅コストと生命保険をカットしろと言います。

大抵の人は年収の20~25%を家賃に充てています。年収が500万円の人ならば、年間で120万~200万円程度充てていることになります。これを減らすことができれば、圧倒的に収入は上がりますよね。よくパラサイトシングルと名付けられた、親と同居する独身の男女がブランド品を買い漁り、贅沢に海外旅行を楽しむ姿があります。彼らの姿を見れば、住宅費をカットする効果は明らかです。彼らは父親をパトロンに、母親を家政婦にして、世界で最も優雅な身分を満喫しているのです。家賃をカットするベストな方法は実家に住むこと。どうしても実家に住めないのなら、家賃を限界まで落とすこと。まずはここから始めるべきです。

そして次は生命保険にメスを入れていきましょう。ほとんどの人は生命保険の大半を解約しても何の問題もありません。資産形成という点から考えれば、生命保険ほど効率の悪い金融商品はほかにありません。だからその利用は最低限にとどめるべきだと橘さんはおっしゃいます。

そしてこの本に書かれていませんが、本要約チャンネルでは格安SIMの利用をおススメしています。今契約しているスマホを格安SIMに切り替えるだけで月5,000円ほど浮く人も多いかと思います。そして、大抵の人にとってスマホは格安SIMで十分です。ぜひ格安SIMでググって、通信費などをカットしてみてください。

さらに飲み会。これもやめましょう。飲み会に行くと1回5,000円くらいかかるし、さらに時間もいっぱい取られますよね。お金持ちになりたい人がそんなことをしている暇はありません。飲み会代を削って、書籍を買って勉強するとかあるいはブログやYouTubeを撮るなど、しっかり有効に時間を使いましょう。

では最後に支出を減らすことによって、最も早く確実に金持ちになる方法をお伝えします。それは自営業者になって、所得に対して税金を払わないことなのです。サラリーマンの場合、仮に年収が1,000万円あっても税や社会保険料を引かれて手取りは700万円程度しか残りません。それに対して自営業者の場合、同じ1,000万円の収入があれば、国民年金と健康保険で若干の支払いをしたとしても、合法的にほぼ全額を可処分所得にすることが可能だと本書には書かれているのです。この本の最も肝となる部分がこれなのです。税金を払わないこと、そしてそのための方法がマイクロ法人を設立するということです。

2限　マイクロ法人で人生が変わる

まず知っておかなければならないのは、サラリーマンは国家から搾取されているということなのです。サラリーマンの税負担は非常に重いですよね。社会保険料を含めると、約3割を国に納めていることになります。こんなに大量に税金を納めていたらお金持ちになれるはずがありませんよね。

そこでマイクロ法人を作るのです。マイクロ法人とは、フリーランスや自営業の人たちが法人化したものです。世間では、フリーランスや自営業者の人が儲かってくると、「あーそろそろ税負担が大きくなってきたから法人化するわ～」という感じで使われているのです。マイクロ法人を設立すると、合法的な範囲でできるだけ税金を払わなくてもすむわけです。ぼくらの今の国の税制度というの大きく歪んでいて、言うならば法人に対して甘い状態なのです。法人になると税金的にメリットがあるわけです。

そしてマイクロ法人の設立の仕方は法務局に電話して聞けば、ただで教えてくれます。そして、法人に登録した後に税金関係の書類も提出しなければならないのですが、これも税務局に聞けば、タダで親切に教えてくれます。