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【読書メモ】【確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力】第1章 市場構造の本質

1 「客引きの兄ちゃんはみんな同じ顔をしている!」

著者がビジネスをする上で常に心がけていることは、「目に見えているものに惑わされず本質を洞察すること」です。

なぜ? なぜ? と現象から原因を掘り起こし。さらになぜ? という自問を繰り返すことで辿りつく奥底に、様々な現象をつくりあげてきた「問題の本質」が見えてきます。

私の身体の特徴をつくりあげている本質が何かと突き詰めていくと、私の構造を形づくっている本質が私の遺伝子(DNA)であることに行きつきます。

「DNAという本質を核にして、その他の全ての構造が形成されている仕組み」そのものは、私以外の人も全て共通しています。他の動物でも、遺伝子を本質としてそれぞれの身体構造が形成されるという仕組みは全く同じなのです。
一見違うように見えるいくつかの現象の奥底を診てみると、人間社会の仕組みも実に興味深く「本質」によって形づくられていることに気がつきます。

アメリカの客引きの兄ちゃん達が、日本の客引きの兄ちゃんと同じ顔をしていると気づいた話。~

それぞれの職業に就く人間の「属性」に、国境を越えて共通している何かがあるのではないかと、著者はそう考えています。

それは「人は仕事を選ぶけれど、仕事も人を選んでいる」ということに他なりません。

ところで読者の皆さんは、資本主義の世界を形づくっている本質は一体何だと考えていますか? 著者はその答えをまだ探求している最中ではありますが、今のところ「人間の欲望」がその本質ではないかと考えているそうです。

「本質」によって構造が形づくられて、さまざまな「現象」が生まれてくる。本章では、自分が戦う市場構造(Market Structure)の本質が何なのか、つまり市場を形づくるDNAの正体に迫ります。

2 市場構造を理解する意味

市場構造を理解するメリットとは何でしょうか? 市場構造を理解することによって、私達は成功確率の高い企業戦略を選ぶことができるのです。

著者は市場構造を精緻に理解することに情熱を燃やし、「勝てる戦いを見つけること」と「市場構造を利用する方法を考えること」に思考を集中しているのです。

3 市場構造とは何か?

いきなり核心の答えを申し上げますが、それは消費者のPreference(プレファレンス)です。プレファレンスとは、消費者のブランドに対する相対的な好意度(簡単に言えば「好み」)のことで、主にブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスの3つによって決定されています。市場構造を決定づけているDNAは、消費者のプレファレンスであることを頭の中に入れておいてください。

次に、カテゴリーとは何か? 同じ目的で使用され、同じような方法で便益をあたえる製品・サービスの集まりのことを「カテゴリー」と言います。

4 市場構造の本質はすべて同じ

5 ブランドも同じ法則に支配されている

6 経営資源を集中すべきは、プレファレンスである。