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【読書メモ】【コンサルを超える問題解決と価値創造の全技法】第三章 仮説構築力「仮説思考」

「デイワン仮説」を持て

少ない情報の中で、最初の仮説は、どのように立てたらいいのだろうか?

これについては、コンサルは、まず「デイワン(Day 1)仮説」を持て、と教育されてきた。
デイワン、つまり、コンサルに入った最初の日に仮説を立てるわけだ。

通説を疑う

最初に、いかにはっとするような仮説を立てられるか。それが、コンサルの腕の見せどころとなる。さて、どうするか?

表面的に課題だ、問題だ、と騒いでいることに対して、疑いを持つことだ。

あまのじゃくになるということは、言い換えれば、通説を疑う、ということでもある。世の中で、普通はこうだ、こうでなければいけない、と言われていることに対して疑う。実際、業界の常識は世の中の非常識なのだ。

これは視点を変える、ということでもある。視点を変えて、いまやっていることを、いったんゼロベースで見てみると、結構無駄なプロセスがたくさん存在することに気付くものだ。

ズームインからズームアウトへ

感度のいい仮説を導き出すには、虫の目で見るのではなく、鳥の目で見ることが有効だ。そうやってソリューションスペースを広くとる。

これを著者は「ズームイン思考からズームアウト思考へ」と呼んでいる。全体を広く俯瞰する「ズームアウト」によってはじめて、これまで見落とされてきた本質に気づく。

AIに負けない発想とは?

人間がAIに負けないためには、非常識な見方、あり得ない組み合わせ、これまでになかったパターンを見つける以外ない。
さらに言えば、未来の常識になるようなことを見つける発想だ。過去のことはすべてAIの中に記憶されている。だから過去には存在しない、ある種、非常識な組み合わせから生まれる発想が、人間ならではの問題解決となる。

したがって、当たり前のところから出発して、普通の人は考えないところに答えを求めていくことが、優れたコンサルの発想となる。

盲点(ブラインド・スポット)を突く

企業においても、業界の常識、自社の不文律にこそ、課題の本質が隠されていることが少なくない。そこをブラインド・スポット(盲点)と呼ぶ。

逆に言うと、そういう業界の非常識のようなものは、外の人間、特にアタッカーから見ると、格好のビジネスチャンスとなる。

まずは、シミュレーションしてみる。もし、現在の「慣行」を格好の標的と見る者が現れたらどういうことになるだろうか。自分たちがそれを仕掛けないまでも、そういう事態が起こった時に備えて、自分たちのなかにそのようなセルフ・アタッカー・チームを用意しておく。

業界の慣行以外にも、ブラインド・スポットはたくさんある。それまであまり相手にしてこなかった顧客層というのも、そうだ。

PlayStationWiiの例。

「悪い子」はどこに?

会社としても定期的に、そもそも自分たちは何のために存在し、何をすべきか、なぜそれができないのかをゼロベースで考えてみる機会が必要である。

ダイバーシティ組織では、盲点が見えやすい

ダイバーシティは、組織のブラインド・スポットを見つけ、カバーするなめの有力な手段となるのだ。

多様な価値観がぶつかることによって、発想が多様化する。そういう意味では、できるだけ社外の人との接点を増やしていくことも、ダイバーシティと同様の効果を持つ。これを著者は、「組織の表面積を広げる」という言い方をする。

稲盛和夫さんのアメーバ経営という仕掛けが優れているのは、ユニットが小さくなることによって、外に接する表面積が広くなるところにある。

ja.m.wikipedia.org

規模と柔軟性という二律背反を乗り越える知恵がカギとなるのだ。

OBゾーンに打ち込む

それは本当に、トレードオフの関係か?

仮説検証とリーン・スタートアップ

壊す勇気

アンドンを引く勇気

本質に近づくスパイラル・アプローチ

答えはその人自身の中にある

【この章のまとめ】

  • 時間軸を取り込むことで、トレードオフをトレードオンに変換する
  • 盲点を探すこと。そのために、ダイバーシティを取り込み、外部と接する表面積を広げる
  • 「OBゾーン」に打ち込み、「聖域」に踏み込む
  • 失敗を恐れず、失敗から学ぶこと。仮説を壊し続ける勇気を持つ
  • 問題とその答えの本質は外部ではなく、自分自身の中にある