【リスキリング超入門 DXよりも重要なビジネスパーソンの「戦略的学び直し」】1.6 人間性

リスキリング超入門　DXより重要なビジネスパーソンの「戦略的学び直し」

リスキリング超入門 DXより重要なビジネスパーソンの「戦略的学び直し」 [ 徳岡　晃一郎 ]

ウェルビーイング*1につながる人間の本当の幸せは何でしょうか？それは将来に向けて成長していくこと、自己実現していくこと、社会に対して価値を創出できることなどでしょう。ここに、本書のメインテーマである「4つのS」を軸にしたリスキリングの果たす役割が大きいと著者は考えます。すなわち何のためのリスキリングかをよく考え、自分の成長を描ける軸を持って戦略的リスキリングに取り組むということです。

さて、人間性重視の指標の1つともいえるダイバーシティについて、世界から見ると日本は立ち遅れています。例えば房さんの住んでいる英国では、英金融行動監視機構（FCA）が企業の経営陣の多様性に関する目標を設定しています。取締役会の少なくとも40%を女性とし、1人は有色人種とすること、さらに、会長や最高経営責任者（CEO）、最高執行責任者（COO）などの上級職も少なくとも1人を女性にすることがルールとして上場企業に課されています。

日本では女性の社外取締役というと、同じような顔ぶれの方々ばかりになってしまっています。取締役や企業経営者の役割を担える女性人材がいないと言われていますが、果たしてそうでしょうか。

技能実習生にまつわる問題でも、ダイバーシティや人権に対する欠如が表れているといえるでしょう。

反省すべきところがとても多いのがこの分野ではないでしょうか。やはり世界から素晴らしい国だと言われる面に瑕をつけないよう、世界標準の視点を持ち、ヒューマニティやウェルビーイングの観点でも私たちはアップデートしておかねばなりません。これも世界の動向を見渡し未来のシナリオを考える力のリスキリングの必要性を示唆しているわけです。

*1:身体だけではなく心も含めた健康と幸福、満たされた状態。