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【リスキリング超入門 DXよりも重要なビジネスパーソンの「戦略的学び直し」】はじめに

はじめに

著者の徳岡さんと房さんの2人が2021年に共同執筆した『デジタルマネー戦争』(フォレスト出版)の中で、イノベーションを生み出し、日本がリーダーシップを持って世界の第一線に復活していくカギとして、「4つのS(Senario シナリオ、Speed スピード、Science サイエンス、Security セキュリティ)」という考え方を提唱し、多くの反響を得ました。

著者らは「リスキリング」や「学び直し」という言葉そのものが目的化してしまっていることに対して違和感を持っています。


目的をきちんと考えないで、「DXだからプログラミングを習得しましょう」「データアナリティクスのスキルを身につけましょう」といった言葉に焦りを感じて、手あたり次第に「にわか学び直し」をしていないでしょうか。

では、リスキリングの目的とは何でしょうか。日本の企業やあらゆる組織が世界の中で力を発揮できるようにすること、日本の強みを生かすこと、ビジネスパーソンが選択肢を増やしながら人生を全うできる力をつけてもらうことです。

デジタル化やリスキリングは、私たちが未来を切り拓いていくための武器なのです。


変革を真剣に模索している日本の政財界のリーダーやビジネスパーソン、さらには人生100年時代を迎えて将来のキャリアに向けて学び直しを志している中高年、次世代を担う志ある若手の皆さん \cdots\cdots、日本の未来を担うすべてのみなさんに向けて、「4つのS」をさらに敷衍*1し、具体的に日本企業や行政、リーダーやビジネスパーソンが進むべき方向をいっしょに考えていきたいと思います。


リスキリングとは生涯にわたって知識を創造し続ける「終身知創」ですから、自分の成長や興味の変遷に伴って、自分の中でも力点が変化するでしょう。本書では、「何を学ぶのか」ではなく「なぜ学ぶのか」ということを重視しています。WHYを考えないでHOWに飛びつくのは、あらためるべき慣習です。

なぜ学ぶのか、目的意識を持った「戦略的リスキリング」こそ重要なのです。

*1:意味のわかりにくい所を、やさしく言い換えたり詳しく述べたりして説明すること。